カイトはたまにいい奴の時がある。

大抵は厚かましくて、面倒臭くて、女好きで、大嫌いなんだけど。

今日は、カイトの電話で不覚にも癒された自分がいる。

ハルカとカイトはうまくいくんだろうか。

いってほしいと思っている自分と、そうじゃない自分がぶつかり合っていた。

もし二人がうまくいったら、きっと焦る。

そして、素直に喜べない自分がいる。

そんな自分は嫌いだと思う。

だから焦る。

その焦ってしまう、嫌いな自分にならないためには、自分も一歩踏み出さないといけないことはわかってる。

シュンキは、私に大して好印象だったってカイトが言ってた。

本当かどうかはさておき、私は今どうすればいいんだろ?

せっかくのシュンキとの縁を指をくわえて、ただ、時間が流れていくのを見ているだけなのか。

それとも、砕けてもよし!と思い切って電話でもかけてみるのか。

ベットサイドに置いてある大きなふかふかのクッションを抱えて、顔を埋めた。

どうしよう。

迷いが消えないまま、電話をかける?

それとも、明日に持ち越す?

スマホを手にとってみる。

シュンキの番号をもう片方の手で持ってみた。

心臓がバクバクしてきたよ。

え、え、え~?

かけちゃう?この体勢、かける体勢だよね。

自分の気持ちと体がバラバラに動いている。

シュンキの最初の番号を押してみた。