「でもさー、ハルカってああ見えて結構いい奴だから、傷つけるような事はしないでよね。」

「わかってるって。お前に筒抜けなことも。」

「じゃ、変な真似したら私が承知しないってこともわかってるわけね。」

「変な真似って、ハルカちゃんと俺の問題にまでお前が首突っ込んでくる気かよ。」

「悪い？」

「人の恋愛に首突っ込むのはルール違反だぜ。例え、ハルカちゃんとお前が仲良しだったとしてもさ。」

あまりに当たり前のことを、カイトに諭されてる状況が自分を惨めにした。

なんだろ。

妙におセンチになってる。

いつもと違う自分の不安定な気持ちに動揺する。

「そうだね。カイトの言う通りだわ。いくらハルカと仲良しだからって、全てに首突っ込むのはルール違反だよね。」

「やけに素直じゃんか。」

「そうね。なんだか最近変なの。色々考えることもあってさ。」

「何考えてんの？」

「色々よ。」

「俺には相談できないこと？」

シュンキの顔が脳裏に浮かんで、一瞬口をつぐむ。

「･･･シュンキのこと？」

私はしばらく黙っていた。

「あいつはいい奴だよ。お前がハルカちゃんを推薦するように、俺も推薦できるくらいね。」

「推薦されても、選ぶ権利は向こうにあるわけだから、私は何とも言えないわ。」

「何それ。まどろっこしい言い方すんなよ。要はシュンキがお前の印象どうだったか聞きたいんだろ？」

どうして、そういうことはいつもすんなり通じるんだろう。

心の読める術を、営業の仕事で身に付けちゃってるんだろうかって、いつも不思議だった。

「心配すんなって。シュンキもお前のこと好印象だったよ。」

ドキン。

そ、そうなの？

今までどんよりした気持ちがふわっと上昇した。