「あ、あのね。最近、夫婦仲はどうなの?順調?」

「は?そんなこと聞いてどうするの?」

明らかに、ユウヤは私の質問にあきれている。

「いや、これから結婚しようかっていう身だしさ、ちょっと参考までに。」

額に変な汗が噴き出している。

カズエはそんな私をほおづえをついて、楽しそうに眺めていた。

「結婚ねぇ・・・そんないいもんじゃないから。オススメはしないな。あ、でもカズエには絶対言うなよ。」

「は?」

ユウヤの上から目線な返答に、ついイラッとする。

「あんたまさか浮気なんてしてないでしょうね。」

思わず、イラッとしたことで拍車がかかった。

暴走してしまった自分の口を片手で押さえる。

あまりにはっきりと「浮気」という言葉を出してしまったもんだから、カズエも目を丸くしてあわてた顔をした。

でも、そんなこと知らないもん。

私に全部任せちゃったカズエが悪い。

ここまで来たらしょうがない。

責任持って、しっかり聞いてやろうじゃない。

「浮気って何だよ。」

不機嫌な口調で返してきた。

「こないだゴルフ行くって出かけた日曜日。女とドライブしてたらしいじゃん。」

「は?カズエが言ってたの?」

明らかに声がうわずった。

「うん。相当ショックだったみたいよ。自分から聞くに聞けないから、私が聞いてあげるって言ったの。」

嘘ばっかり。

「なんだよ、それ。浮気なんかしてないし。」

「じゃ、その女はどこのどいつよ。ゴルフと関係あんの?」

ユウヤはしばらく黙っていた。

言い訳を探しているんだろうか。