一気に現実に引き戻される。

ハルカの大きな瞳に吸い付けられる。

「どうしてそんなこと聞くの?ハルカが好きなんだったらいいんじゃない?オススメ物件ではないけどね。」

思わず、大きな瞳から目を逸らして答えた。

「ほら、オススメ物件ではないなんて言い方するから、ミナミ先輩に実は気持ちがあるんじゃないかって思っちゃうのよ。」

「だから、そんなんじゃないって。単に女好きだから、オススメ物件とは言えないだけよ。それでも好きなら誰も止めないわ。」

って、やっぱりハルカはマジ好きだったんだ。

改めて心の中で頷いた。

「本当?」

ハルカは試すような表情で尋ねた。

「本当。天に誓って本当。」

「それ、また使う-。だから古すぎるってぇ。」

ハルカは再び吹き出してケラケラと笑った。

この言葉、ハルカにとってはツボなんだね。

私もそんなハルカを見つめながら笑った。

「なんなら今度紹介しよっか?カイト。」

「え!嘘?!いやだ~。」

「いやならやめる。」

「嘘嘘!いやだけどやめないでー。」

「何それ。」

私はハルカのおでこを付いた。

「すごく嬉しい!あー、どうしよう!憧れの立花さんとお話できるなんて!」

憧れの立花さんて。

私にとってはほど遠い印象の言葉だけど。

カイトはやっぱりもてるのねぇ。

女好きっていうより、向こうから寄ってくるのかもしれないってふと思った。