「簡単に表現すると、家庭的なマシュマロちゃん。」

・・・。

家庭的なマシュマロちゃん?

なんじゃそれ。

家庭的はともかく、マシュマロって・・・

ふわふわしてて丸くて・・・太ってるってことかい!

「それ、悪口じゃないんでしょうか。」

お盆を抱えて、キッチンに立つ。

「どこがですか?」

シュンキは首をかしげて私を見た。

「だって、マシュマロですよ?ゼラチンの固まりでしょ?太ってることじゃないんですか。」

きょとんとした顔のシュンキの後で、カイトが新聞で顔を隠して声を押し殺して笑っていた。

何?

私、何か変なこと言った?

「そういえば、昔映画にマシュマロマンっていうでぶった怪物が町を破壊してたっけ。まじそっくり。」

カイトがゲラゲラとお腹を抱えて笑い出した。

「マシュマロ・・・マン?・・・ああ!」

シュンキまで思い出したかのように笑い出した。

どういうことよ!!

マシュマロマンだなんて!

全然褒めてないし!

うけまくっている二人を、冷ややかに見つめた。

何、この二人。

そんな二人を横目に、クラッカーにクリームチーズやら、トマトやら、アンチョビなんかを手際よく乗せて、ちょっとしたおつまみを作って、笑い転げてる二人の前に置いてやった。

「あ、うまそ。」

カイトは目ざとく気づいて何事もなかったかのように「うめ。」といいながらクラッカーを頬ばっていった。

「僕も頂きます。」

シュンキも後に続く。

見た目は全然違うけど、やっぱ親友なだけある。

似た者同士だわ、この二人。

キッチンのイスに座って、そんな二人をぼんやりと眺めていた。

なんだか楽しそう。いいよね。親友って。

結局、カイトが私を表現するマシュマロの意味はわからず仕舞いだけど。

どう考えても褒め言葉ではないけど、ま、いっか。

年取ると、色々考えるのも面倒になってくるのよね。良くも悪くも。