「私、気づいちゃったんだ。」

「何を?」

「カイト、あんたが誰よりも大事だってこと。」

カイトの体がゆっくりと離れて、私の顔を正面から見下ろした。

「カイトが馬鹿言ったり、笑ったり、ふざけたりしてるのを、ずっとそばで見てたい。」

「本当に俺でいいの?」

「多分ね。」

「何だよ、多分て。」

「そんなことわかんないわよ。今の気持ちを伝えただけ。また気が変わるかもしれないわ。」

「ったく、かわいくないことばっか言うよな。」

そう言いながら、カイトは嬉しそうに笑った。

カイトのこの顔が好き。

久しぶりに見たカイトの笑顔を見ながら思った。

「じゃ、とりあえず、体の相性確かめてみる?」

「ふざけないでよ。」

カイトはゆっくりと私の肩に手を回した。

飛行機がまた一機飛び立っていく。

その音を聞きながら私たちは初めてのキスをした。


「言っとくけど、俺はナオトみたいに一緒にドラマ見たりしないからな。」

「ドラマ好きの何が悪いのよ。」

笑っているカイトの顔がまた近づいてきた。


~おしまい~