うどんはもちもちとしてとてもおいしかった。

かけうどんに天ぷらを頼む。

店内にはうどんを茹でている湯気が立ち上っていた。

「おいしいね。ここのうどん。」

ハルカが楽しげに言った。

「うん。グルメ上司の一押しだからね。一度行きたかったんだ。」

「今日は誘ってくれてありがと。」

ハルカは言いながら少し照れくさそうな顔でうどんをすすった。

「もう二人でこうやって話することできないかと思ってたんだ。」

「私も。だけど、このままは嫌だったの。」

「私も。」

ハルカと顔を見合わせて笑った。

「で、どう?ハルカは最近。」

「そのこともあって。松永さんとお付き合い始めた。」

「え?そうだったの?結局、二人で話した後意気投合したってこと?」

「うん、そんな感じ。私もあの時はうちひしがれてたから、優しくされたらそのままフラフラ着いて行っちゃった感じだけど。」

そう言いながら、ハルカは幸せそうに笑った。

「よかった。本当によかったよ、ハルカ。」

私は腰のあるうどんを噛みしめながらつぶやいた。

「ミナミ先輩は?その後何か進展はあった?」

「ああ、まだ何もないわ。でもこれから私が行動することについては、ハルカにはきちんと話してからって思って。」

「え?何々?緊張するわ。」

ハルカが顔を上げた。

「私、色々遠回りしたけど自分にとって大事な人が誰だか気づいたの。」

「立花カイトさん、ね。」

ハルカは私が言うより先に言った。

私は頷いた。

「ごめんね。結局ハルカのこと傷つけてたのは私だね。」

「どうして謝るの?ひどいことしたのは私のほうなのに。それに、立花さんとうまくいかなかったら、今松永さんと繋がってられるんだから。あの出会いがなかったら、松永さんと向き合おうなんて思いもしなかった。ありがとうだよ、ミナミ先輩。」