「カイト、なんでお前がここにいるの?」
玄関から響いてくる声は紛れもなくシュンキの声だった。
「あ、いや・・・。」
明らかに狼狽しているカイトの声。
そういえば、シュンキから今晩電話するって言われてたっけ。
すっかり忘れていた。
バッグにしまったままのスマホを開くと、何回もシュンキから着信が入っていた。
私は思わず立ち上がって玄関に向かった。
「シュンキさん、電話出れなくてごめんなさい。」
カイトの後から出て行く。
「今日は少し体調が悪くて、早めに帰ってきたの。カイトは仕事帰り、会社に残ってたままだった私の忘れ物を届けに来てくれただけ。」
嘘だったけれど、カイトのためについた嘘。
カイトとシュンキが親友でいられなくなったらいけないと思って咄嗟についた嘘だった。
「シュンキはどうしてこんな時間に?」
カイトは小さな声でシュンキに尋ねた。
「ミナミさんに電話を何度も入れたんだけど出なくて、心配になって来たんだ。」
「そっか。俺、もう帰るから、二人でごゆっくり。」
カイトはいつものように笑った。いつものように。
「シュンキ、来週のみに行こうぜ。折り入って話があるから。」
玄関ですれ違い様にカイトはシュンキの肩を叩きながらそう言った。
私の方をちらっと見て「じゃ。」と片手を上げてカイトは帰って行った。
この場にシュンキと私、二人を残して。
玄関から響いてくる声は紛れもなくシュンキの声だった。
「あ、いや・・・。」
明らかに狼狽しているカイトの声。
そういえば、シュンキから今晩電話するって言われてたっけ。
すっかり忘れていた。
バッグにしまったままのスマホを開くと、何回もシュンキから着信が入っていた。
私は思わず立ち上がって玄関に向かった。
「シュンキさん、電話出れなくてごめんなさい。」
カイトの後から出て行く。
「今日は少し体調が悪くて、早めに帰ってきたの。カイトは仕事帰り、会社に残ってたままだった私の忘れ物を届けに来てくれただけ。」
嘘だったけれど、カイトのためについた嘘。
カイトとシュンキが親友でいられなくなったらいけないと思って咄嗟についた嘘だった。
「シュンキはどうしてこんな時間に?」
カイトは小さな声でシュンキに尋ねた。
「ミナミさんに電話を何度も入れたんだけど出なくて、心配になって来たんだ。」
「そっか。俺、もう帰るから、二人でごゆっくり。」
カイトはいつものように笑った。いつものように。
「シュンキ、来週のみに行こうぜ。折り入って話があるから。」
玄関ですれ違い様にカイトはシュンキの肩を叩きながらそう言った。
私の方をちらっと見て「じゃ。」と片手を上げてカイトは帰って行った。
この場にシュンキと私、二人を残して。