お皿にはおかずとおにぎりが半分残っていたけれど、そのままシュンキは私を抱きしめた。

今日のシュンキはいつもと違う気がした。

オレンジの服の女性のせいなのか。

カイトへの嫉妬なのか。

私への信頼を獲得するためなのか。

よくわからないけれど。

そして、そのままキスをしてソファーに倒れ込んだ。

息も出来ないくらいの激しいキスを受けながら。

私はシュンキの柔らかい唇と冷たい手と指に一瞬にして溶かされていった。

なぜだか溶けていく自分が、いつの間にかシュンキを慰めてるような錯覚に陥っていく。

シュンキの汗ばんだ体と、憂いのある眼差しは悲しみを堪えているように見えた。

思わずシュンキの瞼にキスをした。


久しぶりの男女の交わり。

一つになった時、20代の頃にはわからなかった精神的な快感を得た。

形だけでは治まりきらない感情が溢れてどうしようもなくなるような。

きっと自分の奥深くに欠けている何かを必死に探りながら、二人で埋めようとしていたのかもしれない。


その夜、シュンキは仕事があるからと言って帰って行った。