信じられない？

信じられないっていうか、信じたい。だけど、シュンキには謎が多いんだもの。

私が知らないこといっぱいありすぎて、ついて行けてない。

それって、信じられないってことなのかしら。

しばらく黙っていた。

「二人でゆっくり過ごしたい。」

シュンキが静かに言った。

「ミナミさんの家に行ってもいい？」

「え？」

これからうちに来るの？？まだこんな昼間から？

「お、お昼ご飯でも作りましょうか？」

シュンキのその言葉が何を意味しているのか気づかないふりをしてしどろもどろになる。

「お昼ご飯作ってくれるの？」

「え、簡単なものくらいなら作れると思うけど。チャーハンとかオムライスとかでもいい？」

「そんなちゃんとしたお昼ご飯？」

「ちゃんとしたお昼ご飯が何なのかはわかんないけど。」

シュンキはようやく口元を緩めて笑った。

なんだかホッとする。

「お言葉に甘えて頂こうかな。」

「どうぞ。」

私も笑った。

シュンキと二人きりになる。

ひょっとしてひょっとする？そういうことになる？

あまりに久しぶりすぎてうまくいくんだろうか。

いやいや、何いやらしい想像してるんだ？そんなことないかもしれないってのに。

さっきまでのどんよりした気持ちから急展開の自分に笑ってしまう。

結局、これはシュンキにはぐらかされたってこと？

それとも、それがシュンキの答えってこと？

何事もいいように考えればいいか。

うん、そうしよう。

そして、私たちはわが家に向かうべく電車に乗った。