気持ちが重い。

まさか、本当にそんなことあるわけないし。

カズエの最初に感じた勘は当たっていた。

女性の勘は鋭いっていうけど、こうも当たるものなんだろうか。

っていうことは、私が今抱えてる不安も的中ってこと?

ゆっくりと通りを歩きながら、シュンキのことを思った。

今頃カイトと飲んでるんだろうか。一緒に行けばよかった。

カイトは、シュンキが好きだった相手のこと知ってるんだろうか。

男同士はそんな過去の女性の話なんてしないものなのかな。

カイトに聞けば一番早いような気がしたけど、カイトは絶対知ってても言わないような気がした。

でも、知ってたら私を紹介なんてしないよね。

そこまで性格悪くないと思うもん。

逆に親友のカイトにまでだまってる存在って、相当な思いがあった女性だよね。

もしくはまだ思い続けているか。

誰にも相談できない禁断の恋。

腰が痛いのに早歩きしたせいか、体中が辛くなってきた。

一休みしよう。

もともと私はクレープ食べる予定だったのに!

ユウヤのせいで、食べることすらできなかった。

定時の5時までの時間を思いきり満喫しようと思っていたのに。

いつの間にかクレープ屋の前にたどり着いていた。

だけど、今は食べる気分じゃなかった。

「今日は激辛のキムチチャーハンだな。」

ぽつりとつぶやいて、ゆっくりと家路に向かった。