カズエとユウヤのことが心配で電話したはずだったのに、一気に自分とシュンキのことが心配になってきた。

その時、クレープ店からユウヤと女が出てきた。

腕こそは組んでないけど、明らかに寄り添った雰囲気だ。

「ち、ちよっと待ってカズエ。急用思い出した。また電話する!」

ユウヤ達がどこへ向かおうとしているのか見届ける義務があると感じた私は、カズエの「何?!」と焦る声を遮って電話を切った。

とりあえず、自分の詮索よりカズエのことだわ。

ひょっとしたら、この二人は白ってこともあるわけだし。

それがわかれば、私も安心。

皆、そうそう浮気なんてしないはず。

大事な人を裏切るなんて普通はあり得ないもの。その言葉は、自分とシュンキの関係にも重ねていた。

腰に鈍い痛みを抱えつつ、ユウヤ達の後を少し距離を置いて付いていった。

見逃さないようにすることだけに懸命になる。

時々、人にぶつかりながら。ぶつかるたびに腰がうずく。

私、ほんと何やってんのかしら?

辺りは少しずつ薄暗くなっていく。目を懲らしながら二人の背中を見続けた。

会社帰りのサラリーマン達で急に通りの人数が増した。

ダメだ!見失う!

あー、どこか路地で曲がった?!

慌てて、曲がったかと思われる路地に入る。

キョロキョロと見回した。

二人は見失ったけれど、・・・そこはホテル街だった。

思わずうつむいてその路地を後にした。