どれくらい経ったんだろう。

ウトウトしていたら、いつの間にか寝ていた。

ふと気がついた時、時計を見たら、もう午前0時を過ぎようとしていた。

「もうこんな時間。」

辺りは静かで、誰もいない。

ハルカもまだ帰ってきていないようだった。

きっと楽しく盛り上がってるんだわ。

まぁもともと私はあまり気乗りしなかったわけで、気乗りしてる3人できっと楽しくやってることだろう。

その時、気づいてしまった。

トイレに行けないということを。

う、どうしよう。

トイレに行きたい。

行けないかもって思った途端、無性に行きたくなってきた。

しかも、スマホは鞄の中だ。鞄もここから手を伸ばそうにも届かない場所だ。

ひえー!

どうする??

せめて鞄の場所に手が届きやしないか、少しだけ上体を起こして手を伸ばそうとするも激痛で動けない。

しばらく同じ体勢で寝てしまったのがよくなかったのかも。

ハルカー、早く戻ってきてー!

思わず叫びそうになる。

その時、扉がそうーっと開く音がした。

「ハルカ?」

速攻尋ねた。

扉から顔を出したのは、カイトだった。

お酒を飲んだせいか、目の周りがほんのり赤くなっていた。

「おい、大丈夫か。」

「なんだ、カイトか。」

「なんだはないだろが、こうやって心配してのぞきにきたんだ。」

カイトはそのまま部屋に入ってきた。

「楽しく飲んでた?」

「ああ。」

「ハルカは?」

「実は飲み過ぎたのか部屋で寝ちまってさ。完全に爆睡状態。いくら揺り起こしても起きなくてさ。」

「えー!」

ショックだった。

すぐにでもハルカを呼んできてもらおうと思ってたのに!

「シュンキさんは?」

「ああ、シュンキ?」

「ちょっと仕事の電話とか言って外に出たきり戻ってこなくてさ。ひょっとしたら、ハルカちゃんと俺と二人きりにしようと気を利かせて出てったのかも。」

「何それ。」

ってことは、今頼れるのはカイトしかいないってこと?!

トイレ行きたいだなんて言える??