「それに関してはお礼言うわ。ありがとね。」

不本意ではあったけど、カイトに頭を下げた。

「とりあえず、せっかくもらってきたし湿布貼ろうよ。」

ハルカが湿布を取り出した。

「俺が貼ってやろうか?」

カイトが馴れ馴れしく私の肩を抱いてきた。

「やめてよ!」

ハルカの表情が明らかに引きつっていた。

まじで、馬鹿なんじゃない?冗談にもほどがあるっての。

「俺が貼るよ。一応彼氏だし。」

そんな不穏な空気の中、シュンキが前に出て来た。

ハルカはホッとしたような顔でシュンキに湿布を手渡した。

おいおい、そこでどうしてシュンキに手渡す??!

でも、この状況でそれを否定することは困難だった。

ハルカのためにも、そしてシュンキの立場的にも。

「とりあえず、湿布はシュンキさんにお任せして、外に出てましょうか。」

「あ?」

ハルカがカイトを促したものの、怪訝そうな顔でカイトは動こうとしなかった。

「ほらほら、そちらのカップルは外行っといで。お酒の準備でもしてきてよ。せっかくだし三人でゆっくり飲むのもいいんじゃない?」

私はカイトを手で追い払うマネをした。

「なんだよ、それ。」

そう言いながらも、カイトはようやく外に出て行った。

ふぅ。

全く落ち着かないわ。

「大丈夫?」

シュンキは私の肩に優しく手を置いてきた。

そういや、ふ、二人きりじゃない。

しかも湿布貼るって?!

まさか、マジの提案じゃないよね?胸がドキドキしてきた。

「湿布は後でハルカに貼ってもらうから大丈夫ですよ。シュンキさんもカイト達と飲んで来て下さい。少し痛みも落ち着いてきたし。」

別の緊張で痛みを忘れていたという方が正しいけれど。