二人を見送って、ふぅとため息をついた。

「ミナミ先輩がお疲れかな?ごめんね。率先して手上げちゃった。」

ハルカは心配そうに私の顔をのぞき込んだ。

「全然、いいって。今日は色々あってちょっと疲れちゃったからさ。」

「そうだよね。早めに切り上げようね。」

「気にしないで。本当にねむたくなったら、先に寝に戻るから。」

「うん。」

年なのかねぇ。

ハルカは微塵も疲れた様子は見られない。お肌もつやつやピンク色。

朝から、シュンキがやってきて、カイトがやってきて、シュンキにいきなりキスされて。

気がつけば温泉街。

集中豪雨に急遽宿泊。

こんな一日ってある?盛りだくさん過ぎやしない?

そういえば、今日のドラマ録画予約してくるの忘れてるし。

なんだか最近自分のペースかなり乱されてるよね。

だからこんなに疲れてるんだと思う。

楽しい疲れだから別に構わないんだけどさ。

やっぱ年だってことか。

お茶をすすりながら、自分が年だ年だと言い聞かせてると凹んできた。

気を取り直すべく立ち上がった。

「さ、私たちもそろそろ行きましょうか。ちょっとお酒とおつまみくらい買い足そ。確かこの1階にコンビニみたいなとこあったしさ。」

「そうだね。」

ハルカもようやく笑顔が戻る。ほんと、後輩に気を遣わせて情けない先輩だよ。

そして、ハルカと1階の階段を降りて行った。

お土産を売っているブースにちょっとした雑貨やお酒やつまみが置いてある。

そんなに選べないけど、適当に買った。

ハルカは意気揚々とたくさん買い込んでる。

「そんな飲めるの?」

心配になって尋ねた。

「だって、今日は帰らなくていいんだもん。少しくらい深酒してもいいじゃない?」

「あんな野獣たちの前で深酒して、どうなっても知らないよ-。」

そういいながら、お酒やらつまみやら入った袋を持った。

「ミナミ先輩、私持つよ-。」

「いいって。これくらい。力だけはあるからさ。」

そう言ってエレベーターの方へ向かった。