お湯は少しぬめりがあり透明だった。

それほど温度も高くなくほどよい。こういうのが一番のぼせちゃうんだけどね。

ハルカとお湯に肩までつかりながら、「楽しいねぇ」と話した。

「このまま一泊くらいしちゃってもいいかも。」

ハルカが言う。

「はは、ほんとその方がゆっくりできるかもねぇ。ハルカは急に一泊なんていけるの?自家でしょ?」

「私ももういい大人なんだから、適当にごまかせるわよ。それに、ミナミ先輩が一緒って言っとけば間違いないわ。」

「ほんと、30過ぎの女が、仮に男と一泊したところで親もそんな驚かないよね。それより行っておいでーってのぼり立てて喜んでくれるかもよ。」

「まじでー。」

こんなくだらない話で盛り上がる。

男二人はどんな話してるんだか。

小一時間ほど経っただろうか、すっかり入りすぎた私たちは扇風機で涼んで外に出た。

既にカイトとシュンキが退屈そうな顔で座り込んでいた。

「あ、ごめん。待った?」

カイトは立ち上がる。

「待ったも待ったって。どんなけ入ってるの?そんなに入ったってお前のお肌の老化の一途を止めることはできないって。」

「むかつく!」

ハルカにはそんなこと言わないくせに。

カイトからプイと顔を背けた。

シュンキは笑いながら言った。

「もういいじゃんか。それより俺、お腹空いちゃった。」

「そうだね。来る途中のサービスエリアで簡単にしか食べてないもんね。」

私はスマホを取り出して、この周辺のお食事処を調べてみた。

「何系が食べたい?」

「ラーメン。」

シュンキは即答した。

「あはは、シュンキさんて本当にラーメン好きね。」

私はシュンキの顔を見て笑った。

「何々?シュンキってラーメン好きだったっけ。」

カイトが割り込んでくる。

「好きだよ。こないだすげーおいしいお店、ミナミさんに教えたんだ。」

「俺にも教えろよ。」

カイトはシュンキをこづいた。

「ああ、今度一緒に食べに行こう。」

「絶対な。」

なんか子供の会話みたい。

男っていつまでも男子なのかもしれないねぇ。

ハルカと顔を見合わせて、同じことを思ったのか吹き出した。