「K崎温泉とかさ。せっかくだから温泉つかりに行ってもいいかなと思って。」

「うわ、じじばばくさ。」

私は鼻を摘んだ。

「いいじゃない。あそこの温泉お肌にいいらしいよ。それにおいしいものも食べれそうだし。」

ハルカは鼻を摘んでいる私をよそにカイトの方を見て言った。

はいはい。

シュンキをちらっとみると、相変わらず穏やかな顔で笑っている。

「あ、紹介遅れました。こちら、今里シュンキさん。カイトの親友。」

私は慌てて、ハルカの腕を掴んでシュンキの前につれてきた。

「シュンキさんですね!ミナミ先輩からお噂はかねがねお聞きしています。今日はよろしくお願いします!」

ハルカはペコリと頭を下げた。

「初めまして。今里です。カイトの彼女なんだって?いい男見つけたね。こちらこそよろしく。」

「うわ、ほんと噂通りのイケメン。」

ハルカが赤くなって私の腕を掴んだ。まんざらでもない。

そこへカイトが割り込んできた。

「ほんと、俺っていい男だからねぇ。ハルカちゃん、会えば会うほどそう思うだろ?」

カイトは気安くハルカの肩を叩いて、わざとらしく前髪を掻き上げた。

「ばっかじゃない。」

思わず、普段通りのつっこみを入れる。

ハルカが目を丸くして私を見た。

しまった、またいつもの癖で言っちゃったよ。

「さ、早く行きましょうか。道が混んだら嫌だし。」

シュンキが言った。

「おう、そうだな。じゃ、とりあえずここからGサービスエリアで一旦休憩してそこから一気に行っちゃおうか。」

「了解。」

男達二人は淡々と決めて車に乗り込んだ。

絵になる二人だね。

一応、カイトもイケメンの部類だから。

ハルカに「じゃ、後で。」と言って、シュンキの横に乗り込んだ。