あの週末以来、カイトがうちに上がり込んでくることはなくなった。

やればできるじゃん。

そう思いつつ、朝ドラを見ながら朝ご飯を食べる。

いつもカイトのために余分に買っていたソーセージや食パンが余ってきている。

悪くなる前に食べちゃわないとね。

とりあえず食パンはカビが生えると困るからそのまま冷凍庫に入れた。

いつもの週末。

彼氏ができると、こうもドラマに意識が向かなくなるもんなんだね。

なんせ、彼氏がいる状態がすごく久しぶりだからこういう自分自身の変化すら新鮮だった。

シュンキは、そんなにマメな方ではなかった。

電話も週に1、2回だし、週末いつもデートかといえばそうではない。

仕事がら土日出張も多く、残業も多いみたいで。

でも、私にとってもかえってそれくらいが丁度よかったりする。

若い頃とは違って、休日は十分に休むことはとても重要だ。

今週もとくにデートの約束はしていない。

本当に付き合ってるのかどうかわからなくなる時もあるけどね。

その時、ピンポーンとチャイムが鳴った。

??

まさか、あいつが久しぶりにやってきた?

前髪のピンを外して横の髪を耳にかけた。

小走りに玄関に向かう。

敢えて扉を閉めたまま、「はい、どちらさまですか?」と聞いた。

「僕です。」

僕?

あいつは「俺」って言うもんな。

そっと玄関の扉を開けた。

「朝からすみません。」

シュンキだった。