「ところでさ、ミナミ先輩はイケメン研究職さんとはどうったの?」

「あ、シュンキ?うん、こちらも結構順調かなぁ。」

「え!そうなんだ!」

途端にハルカの表情が明るくなった。

そうそう、そうこなくっちゃ。

「実は私も二日続けてデートしちゃったんだ。」

「まじで!?」

「一日目は映画、昨日は牧場までドライブ行ってきた。すごく色々話せて楽しかったぁ。」

「よかったね!シュンキさんてどんな人なの?」

「なんかね、すごく穏やかでさ、私の話も一生懸命聞いてくれて誠実な感じよ。」

「イケメンで研究職で誠実なんてそんな三拍子そろった人間もいるんだー。」

ハルカは目を丸くした。

確かに。

三拍子揃い過ぎてるような気もしなくはないけどね。

だけど、いいのいいの。

とりあえず今は、それで。

無理矢理自分で納得してる。

そのうち、粗も見えてくるだろうし、最初から粗だらけっていうのも問題だもんね。

「じゃ、ミナミ先輩もそのうち結婚、なんてこともあるかもよ。」

ハルカは嬉しそうに笑った。

「まだそこまではわかんないけどね。」

「またぁ。いっつもそこで消極的になっちゃうんだから。ミナミ先輩もいつかは結婚したいと思ってるんでしょ?」

「したくなくはないけど、やっぱり結婚って色々考えちゃうっていうか。怖いが先に立っちゃって。」

「怖い?」

「まぁ、この年になると色々と過去にもあるわけで、簡単なもんではないのよ。」

そしてナオトのことが頭をよぎった。

「そうなんだ。まだ私には話してない過去がありそうねぇ。」

ハルカはいたずらな目をした。

ハルカにはナオトの話はしてない。

まぁ、今のところする必要もないかと思ってるけど。