「私の予感は的中しない方が良かったのに…」
「空野さん、どうしてこんな事になってしまったのでしょうか?」
答えを求め、聞いてみる。
「ストーカー側としては、こちらはこんなにまだ想っているのに自分の存在を彼女が ''忘れている'' これ以上の屈辱は無いと思った…。きっとそれが原因だ。」
僕は不思議だった。
「ここで、記憶をリセットすることで助けられる人っているのですか?」
「少ないけど、いる。そうでなければ、この店に需要は無いから。しかし、おすすめ出来ない人が沢山いる。」
じゃあ、なんで空野さんはこの店を続けているのか…?
そんな疑問が浮かんだ。でも、僕は聞く事は出来なかった。
空野さんは不思議な存在で、何を考えているのか僕なんかには全然分からない。その雰囲気が、僕の聞きたい事を封じているようだった。