「到着。」



ついたのは海だった。



「夜の海は静かで不気味だね。」



「だな。

あそこ座ろ。」



私たちはベンチに座った。



「なんか、思ったより楽しかった。」



「なにそれ。そんなつまんなさそうだった?」



「ううん、違くて。

あたしまだ男子と仲良く遊べるんだって。

無理かと思ってたから。」



「…………まだ引きずってんの?元カレ。」



「だってあたしは本気で好きだったし。

別にもう好きなわけじゃないけどさ

信じたあたしがばかだったなって思い知ったの。」




「浮気、ね…。」



「貴樹はしたことあるの?浮気。」



「え。


……………まぁね。

あるよ。」



「ほら、やっぱり信じられないよ。」



あたしはもう裏切られるなんて

絶対いやなんだ。