「ゆず、とにかく座りなよ。


二人とも丘高だから頭いいし。」



あたしは彩香に促されて

空いている貴樹のとなりに座った。



……………………。



とりあえずあたしも宿題の続きやろうかな…。


あたしも宿題を出した。


数学は教科書に書いてある問題

全てやってこいという鬼の宿題。



あたしもあとはこれだけだ。



「柚夏、わかんねーとこあったんだろ?

俺教えるし。」



そう言ってあたしに向ける笑顔は

とても優しくてさわやかだった。



「ありがと。

でもあのあと自力で解けたの。


だから大丈夫。」



あたしは貴樹を断って宿題を始めた。



「えー、つまんね。」



…………なんか、変な感じ…


メールや電話でしか話したことない貴樹が

今隣に座ってるなんて。



どんな顔すればいいか

わかんないよ…。