教室に入り、席につくアユムとユウ。

「はよーっす」

「はよー、アキ」

「おはよ」

挨拶を交わして、アキはキョロキョロしながら辺りを見渡す。

「なにしてんの?」

「良い物が入ってやすぜ?ダンナ?」

「マジか!」

ユウが食いつく。

「あー、またか」

アユムは会話の内容を悟って、気にせずにいた。

そこへ一人の女性が参上した。

「おはようございます」

長髪で笑顔の女性に男性の皆が見惚れた。

ただ、一人を除いて・・・。

「さてと、一限目の準備をするか・・」

「アユムさん」

「ん?」

顔を上げるとその女性は直ぐに笑顔で挨拶をして来た。

「ああ、おはよ」

挨拶を終えると準備の続きを始める。

「・・・」

笑顔で固まる。

そんなこんなで一限目。

「アユムってさ?」

小声で隣の席のユウが話しかけてくる。

「なに?」

「ホモとかじゃないよね?」

「どうしてそうなった?」

「だってさ、レイカさんの笑顔に見惚れない男性ってもしかしたらお前だけじゃね?」

「そうなの?」

「ああ」

「ふーん?」

「女性に興味ないの?」

「いや、別に普通?」

「お前さんの普通の基準がわからんよ」

午前の授業を頑張って昼休み~。

「さてと・・」

弁当を広げる。

アユムは基本、ユウとアキと昼食を食べている。

「てか、何時も思うんだけどさ?」

アキがマジマジとアユムの弁当を観ながら言う。

「やらねーよ?」

「取ったりしねーって」

「じゃあなんだ?」

「いや、何時も誰が作ってんの?」

「母さんだけど?」

「アユムの母親って若いよな~・・・やっぱり、一口寄越せ!!」

「どうしてそうなった!?」

「静かに食えないのか~?」

一応注意をしたユウは見慣れた光景に戸惑わず食べ続ける。