だとすると、体勢を崩した七瀬さんを見計らった双葉がタイミング良く俺を押したのもすべて、祖母上のお考えということになる。
――いや、そもそも俺の前で都合良く七瀬さんが体勢を崩したことも妖しい。
もし、彼女との一件はすべて仕組まれていたことだったとしたら……。
「祖母上、この一件はまさか。祖母上がお考えに?」
「……ねぇ、碧さん。貴方は息子に従いすぎです。もっと自由に花嫁を選ぶべきなのです」
俺の問いに、祖母上からの返事はない。
そして否定も――。
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