「ねぇ椎名...」

邑楽君が喋りかけた途端。

「あのっ、ちょっといいですか?」


オレンジのゴムでポニーテールをしている。

一言で言うと『可愛い』子だ。


どうしたんだろう。


「じゃぁ行くね」

あ、行っちゃう。


一人になる。


仕方ない。

呼ばれたんだから。