「美咲様。」


青柳がワタシを呼んだ。



「調査結果が出ました」



「ありがとう、青柳。

いつも早いわね。」



片山有輝
坂東ホールディングス 期待の人材
木村綾乃という3年前から交際している恋人がいる

という内容だった。



「恋人がいらっしゃるのね……」


「ええ。美咲様には少し酷でしたね。

失礼いたしました。」



「どうして?」



どうして青柳はワタシの気持ちを知っているの?


心の中でそう問いかけると



「伊達にお嬢様の執事15年もしておりませんので」


そう言った。


青柳には適わないな。