そんなの知らないよ、って冷たく言えたらどれだけいいか。


そんな人の心も知らずに楽しそうにする彼を見たら、わたしは冷たくなんてできなくて。



「へえー、そっか。デートできるといいね。」



なんて、思ってもない後押しをしてしまう。






「……女子ってさ、どこに行きたいと思う?なにをしたい?」


そんな、好奇心のある目で見つめないで。


一瞬だけでも、その視線を勘違いしてしまいそうになる。







「……水族館。」



幼い頃の彼との思い出のスポットを答えたのは、幼なじみとしての、変なプライドなのかな。