そんなことがあってしばらく、わたしはなんとなく彼と距離を置いた。
学校でもよく話していたけれど、最近は自分からは話さないようにした。
だって、なんだか、これ以上なにかを知って傷つくのが怖かったから。
もちろん彼から話しかけられれば普通に対応した。
鈍感な彼は、そんなわたしの様子を特に気にしなかったようで、少し寂しくもあり、でもこの気持ちに気付いてほしくはないので安心した。
「ねえさっきのあのシュートかっこよ過ぎたよね!!」
「ん〜〜そうかな?」
友達が興奮気味に言うのはさっき見たバスケの試合での出来事。
昼休みに数人の男子が校庭でバスケをしていたのだけど、その中に彼がいた。
しかも彼はミラクルシュートをしたために目撃者(主に女子)をキャーキャー言わせているという、状況。