「よかったじゃん。

チャンスなんじゃないの?」



ふざけてけしかけてみても、またマジな返事。



「うーん…。別れたっていっても、

相手はサークルの先輩でさぁ、

向こうが社会人になって時間合わなくて、

仕方なく――、みたいな別れ方だし。

心がまだ残ってんのがわかるんだよな…」



別に、そこまで聞いてないのに。

そんな大事なこと、私に話してくれるのは

嬉しいけど、やっぱり複雑。

そんな切なそうな顔しないでよ。

私じゃどうにもしてあげられないのに。

「頑張って!」なんて励ましてもウソにな

りそうで、何も言えなかった。