「じゃあ、あとでね!」


ヒロ君を引きずるようにして、みかが去っていく。


「何なんだ、あれ?

あ、ジュース飲むか?」


しれっと言うと同時に放り投げられる缶ジュース。

あ、冷たくて気持ちいい。


「あ、お金…」

「それぐらいおごるよ。」


わーい、ラッキー。


「いただきまーす。」

「どういたしまして」


くすっと笑う横顔に、不覚にもドキっとした。


「笑ってる場合じゃないでしょ!」


原因作った張本人のくせに、

危うくごまかされるとこだった。

胸の動悸を消したくて、早川に食って掛かる。


「何が?」


すっとぼけたってダメなんだからね!

そんなイタズラっ子みたいな、

嬉しそうな顔してたら、バレバレだっつーの。

「気ぃ遣ってやったんだって!

アイツら、二人きりにしてやった方がいいだろ?」

早川の目が相づちを求めてくるけど、ホントにそうなの?

考えたくないけど、その逆なんじゃないだろうか?

みかってば、最初から私達を二人きりにさせる気だったんじゃ…?