「全っ然、進まない!」


参考書を放り投げて、そのままベッドへとダイブする。

頬に触れるシーツが、ひんやりとして気持ちがいい。

だけど、眠る気にはなれなかった。

修ちゃんが残して行った宿題、やんなきゃいけないんだけど、

問題解こうとしても、どーしても考えが違う方へ行っちゃって、

そこでペンが止まっちゃうんだもん。


早川が私のこと好き?


修ちゃんは確かにそう言った。

でも、ゆうきは早川のことが好きで、

私は修ちゃんが…、好き、なんだろうか?

ノートに意味のない矢印が行ったり来たり。

だけど、修ちゃんがレイナさんを好きなのは、

決定事項なわけで。


じゃあ、どうしてヤキモチ焼いたりするんだろう?


あの時、早川の気持ちより、そっちを喜んでしまった自分に、

何とも言えない罪悪感…。


「ごめん、早川」


仰向けに寝転がったまま、天井に向かって手を合わせた。

ついでにゆうきにも。