「はあ~っ」


床の上をゴロゴロ転がっては、溜息をつく。


「ちょっと、どうにかなんないの?
その溜息。
こっちまでテンション下がるから、ヤメてよね」


お風呂上がりのお姉ちゃんが、

私の横を通りすぎながら文句を言った。


「あ、ゴメン。」


思わぬ指摘にキョトンとするも、

無意識なだけに、素直に謝ると、


「べ、べつに。そりゃ、アンタでも、
悩みくらいあるでしょーけど」


お姉ちゃんの方がうろたえてるのが、なんかおかしい。


「…もしかして、修ちゃんのこと、マジだった?」


この前のお風呂場でのこと、気にしてるのか、

恐る恐るって感じで聞いてくる。

そんなことないよって言おうと思ったんだけど、

私に気を使ってるお姉ちゃんなんてレアだし、

面白いから、黙ってることにしようっと。


「んー。どうかなぁ。

自分でもよくわかんないんだよねー」

「何よそれ。悩んでないじゃん」

「悩んでるよっ!!」

「ふーん。
じゃあ…、わかった!
花火の方だ!そうでしょ!」


さすが、いいカンしてる。