潤の親は1番前の真ん中に座っている

まるで審査委員のごとく

「潤頑張って・・・」

小さな声で祈る

潤がでてきた

ピアノに座ると会場の方を一回見渡して弾き始めた

「え!?」

いつもの潤のピアノじゃない!

まるで怒りをあらわにして相手を威嚇するような

会場もどよめいている

きっとあの2人に対して弾いているんだ

「潤!あたしをみて!」

演奏を遮り立ち上がる

潤も気が付いた

「それは潤のピアノじゃない!潤のピアノは暖かいホッとする音なんだから!」

「ちょっと君!」

警備員が私の腕を掴んだ

「潤!練習した時のことを思い出して!」

「君いい加減にしなさい!」

私は外へ連れ出されてしまった