真綺side


「う…そ……本当にお兄ちゃん?」


「ごめんな。
俺のせいでこんなにも苦しめて…。」


少し痩せた気がする。


「もう復讐なんかしなくて良い。
もう…苦しむ必要は無いんだ。」


なんで?
だって、お兄ちゃんは『双姫』のせいで!


「お兄ちゃんは…許せるの!?」


「違う…朱音が俺を許してくれたんだ。
朱音の大切な妹を奪った俺を。

決して許されない罪を犯した俺を許してくれた。」


「許す……?そんなの綺麗事じゃない!
どうせ心の中では憎んでるに決まってる!!

そんな綺麗な人間なんて存在しないんだから!」


「真綺。」


「東条さんも…「止めろ」って言うの?」


痛い…何かに突き刺さったみたいに。

私の心が「痛い」と叫んでる。