颯真side


「駄目だ…来るなッ!!」


それでもゆっくりとこっちに来る朱羽と蒼月。


「良い子だ…捕まえろ!!」


男の命令でどこから湧いて来たのか
複数の手下達が朱羽と蒼月を捕らえる。


『痛いなぁ!もっと優しく出来ないの!?』


「気の強いお嬢ちゃんだ。
殺すには惜しい…。」


「ッ!?」


初めから殺す気なのか!?


「離せッ!二人共逃げろ!!」


ガッ!


「なッ!このガキ!!」


素手でナイフを握ると血が滴り落ちる。


『颯真!?』


「良いから逃げろ!!」


「こっっんのクソガキ!離せッ!!」


痛みに耐えきれずナイフを離してしまい、


『颯真ッ!!』


男が俺に向かってナイフを振り上げる。