「アイツ…なんなんだよ!!
少しも悪びれなく出て行きやがって!!」


「みどりん…あんなに組の事嫌ってたのに。
結局、地位が欲しくなったって事?」


「なんか、実感湧かないんだけど。」


碧が居なくなって落胆の声が飛び交う。


「朱羽、蒼月。
二人は必要以上に動き回るな。」


「窮屈かもだけど、
僕と蓮斗で守るからねぇ!!」


信じてた幹部の裏切りが分かって、
戸惑う筈なのに私達の心配をする二人。


『うん。』


「この事…。
帰ってお父さんに言った方が良いのかぁ?」


碧の目的はお父さんと紘叔父さん。
つまり、組の抗争が始まってしまう。


「……そうだな。
組となると俺らじゃ手も足も出ねぇ。

情ねぇーけどさ。
…ハァ……悪ぃお前ら、総長失格だな。」


ソファーに力無く座り込む蓮斗は
どこか傷付いてる様に見えた。


『碧を止めよう。』


「……あぁ。」


蓮斗に寄り添う様に手を握った。