「みどりん……?」


知念の呼び名を聞いても耳に入らない。


「マジかよ…お前、俺らを裏切ったのか!?」


「信じらんない。
今迄の全部作り物だったって訳?」


知念、湊、真綺も碧を責める。


「バレたもんはしゃーないなぁ?
ごっこはこれで終いや。」


「ごっこ……?
お前、なんで俺らを裏切った!!」


ガッ!


怒りを抑えきれなくなった蓮斗が
碧の胸ぐらを乱暴に掴む。


「答えろッ!!」


「そんなん決まってるやろ?
只の暇潰しや。」


悪びれる事もせず碧は淡々と話し始める。


「わいの『飯嶌組』は充分な権力を持っとる。
せやけど、上には上が居るんや。

その上に行きたいん思うんはあかんか?」


『だから、私を狙ったの?
『樺沢組』の娘だから!?』


そんな理由だけで…?


「正確には類さんと紘さんが狙いやけどな?
その二人潰せばわいの組が世界一や。

自分よか上が居るんは性に合わんのや。」


ドカッ!!


「碧……お前を幹部から外す。
もう二度とここにも俺らの前にも現れんな!!」


「イッタいなぁ〜……。
ほな、裏切り者はドロンするわ♪」


何事も無かったかの様に碧は笑いながら
幹部室…『双神』の倉庫から出て行った。