コツ…コツコツ……


人生初の徒歩での登校が
まさかこんな形で叶うなんて……。


普段は車の中から眺める風景。
その風景がいつもよりゆっくり通り過ぎる。


ブーッ!ブーッ!!


『えーっと、次の十字路を右ね。』


はい、徒歩だと道が分からないんで
蓮斗に道案内して貰ってます!

本当はメアド交換したくなったんだけど
こんな状況だからしょうがないもんね。


コツ……カツ…『!?』


私の靴音の後に聞こえる別の靴音。


カツ……カツ…カツ!


『誰!?』


振り向くと、


「またお会い出来ましたね……。」


あの黒ずくめの男が真後ろに立っていた。