『ヤバい……私、今歩けてる?』


目の前がグニャグニャ歪んで見える。


行きは楽だったのに帰りは地獄……。
やっぱり、車で行けば良かった。

今更後悔しても遅いんだけどね。


ピクッ…


後ろに気配を感じる。


『だ……れ?』


コツ……コツ…


少しずつ近づいて来る足音に恐怖を感じる。


『ッ!!』


力を振り絞って勢い良く振り返ると、


「あぁ……やはり貴女でしたか………。」


『や!離してッ!!』


全身真っ黒の男が私の腕を痛い位に掴んだ。