「つ、妻/////」


『お母さん…照れてる場合じゃないから!』


もう結婚して何年目!?
まだ言葉だけで照れるって初心なの!?


「ハッ!じゃなくて!!」


我に返ったのか、
お母さんが蓮斗達の前に立ちはだかる。


「……どくんだ。」


「駄目だ。
類、少しは冷静になったらどうだ?」


急にお母さんが男口調になった。


「蒼翔で対抗するのか。
でも、たかが男装で俺を止められると思う?」


「俺の方が喧嘩は強い!」


「……へぇ?」


まさかの展開に私達が焦り始める。


『ど、ど、ど、どうする?』


「お母さんとお父さんが喧嘩するのぉ!?」


「この展開になるなんて思わなかった。

これは助かったのか?
でも…なんか喜んで良いのか分かんねぇ。」


「夫婦の仲を裂くつもりはなかったよぉ!!」


「誰か止めに…なぁ、あの人達笑ってるけど。」


颯真が指差す方を見ると、


「朱音と類が喧嘩おっぱじめんぞ!」


「それは見物ですね。」


皆さんの笑声が耳に届いた。