『お母さん!!』


急いでお母さん達に駆け寄る。


「朱羽、今は『双姫』として居るから
お母さんは駄目よ。」


地面に落ちた仮面を拾い上げ、
また付けるお母さんはまるで別人。


「ゲホッ!」


「痛いなぁ〜(泣)」


蓮斗が殴った後にお母さんがお返しに
強烈な蹴りを入れたから蹲(うずくま)ってる。


「あら…ちょっと手加減出来なかったかしら。

仮面を外された事なんて無かったから
ついムキになっちゃった(笑)」


「まさか朱音さんが男装してたなんて。
もしかして『双姫』は……。」


『どっちもお母さんだよ。
知らなかった事にこっちが驚きなんだけど。』


私の言葉に手で顔を覆う二人。


「あのクソ親父……。」


「玲を責めないで。
嘘の噂を流したのは私の為だから。」


『神田さんが……あ!お母さん血が出てる!!』


「少し口の中を切ったみたいね。」


唇の端から血が出ていた。