朱音side


「朱音、指名されたよ。」


「そのようね。」


まさか指名されるとは思わなかったけど。


「男として相手してやってくれ。」


蓮斗と亜蓮の方へ足を進めようとすると、
玲が意味深な事を言って来た。


「蓮斗達は朱音って事に気付いてない。
だから、本気で向かって来るぞ。」


「え…私って知らないの?」


「アイツらには『黒双姫』と『白双姫』が
同一人物だと教えてない。

その方がお前に負担が掛からないと思った。」


「玲……。」


たしかに噂でも別人だと思われてるみたい。

その噂を聞いた時なんでだろうって思ったけど
玲が流したんだね。


「アイツらをずっと騙してたが、
そろそろ教えてやっても良いと思ってな。

そこは朱音が決めて構わねぇから。」


「うん!分かった!!」


「最初は男口調で行けよ?蒼翔。」


懐かしい名前で呼んでくれちゃって。


「おう、行って来る。」


男になりきって足を踏み出した。


朱音sideEND