私の衣装は…真っ赤なドレス。

なんでも、女王様をイメージして作ったらしい。
私はそんなんじゃないんですけどね……。


「あの子良いなぁ〜。
あんな紳士に手を差し出されて!!」

「あれで振り払うとか無いよね!」


マジですか。
私、振り払う気満々だったんですけど……。


周りの声に迷いながら蓮斗を見ると、
ニヤニヤと笑っている。


『こっんの野郎ぉ〜〜〜〜!!』


ほら、紳士だろ?
手を取るしかないだろ?って顔がムカつく!


それでも周りの視線に耐え切れなくなった私は
嫌々ながらも蓮斗の手に自分の手を重ねた。