「母さん…この仮面は何?」


不思議そうに仮面を見る天空。


本当に天空は
細かい事までは聞いていなかったみたい。


「これは『双姫』として
行動してた時に付けてた仮面よ。

黒い仮面は『黒双姫』白い仮面は『白双姫』
そう呼ばれていたわ。」


「白いのが割れてる…。」


『銃弾は白い仮面が受けたの?』


黒い仮面はヒビ一つ入っていないのに、
白い仮面は無数にヒビが入っている。


「そう、『白双姫』は蒼空として使ってたの。
簡単に言うなら一人二役ね。

居ないと分かっていても
そうしないと自分を保てなかった。

私を庇って死んだから尚更……。」


『「「え…………?」」』


庇って?


「………蒼空は私を庇って死んだの…。」


目の前で殺された事は知っていた。

でも、お母さんを庇って死んだなんて…。