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「篤哉って、料理上手だったのね」
結局、三人揃って済ませた夕食。
紗枝さんは、平らげた皿を前にして、何度もあっくんの腕前を誉めてみせた。
ふたりの会話には何となく入れなくて、汚れた皿をキッチンへ運んで洗っていると、紗枝さんが入ってきた。
「二葉ちゃん、私も手伝うわ」
腕まくりをしながら私の隣に立つ。
「あ、大丈夫ですから」
「遠慮しないで、義理とはいえ姉になるんですから」
……姉、か。
反射的に漏れた溜息に、「ごめん、先走り過ぎよね」と、紗枝さんが反応する。
「いえっ、違うんです、そういう意味じゃなくて……」
それじゃ、どういう意味だったんだろう。
自分でも分からなくて、言葉が続かない。
「私、今晩泊めてもらおうかな」
紗枝さんがポツリと呟いた。