「やだ、食べるってば！　……うん、美味しい！」


あっくんが持っていた小皿をペロリと舐めて、笑顔を向ける。


「ったく、行儀が悪いぞ」


あっくんは、たしなめるように私の頭をツンと弾いた。
そして、戸棚から皿を二枚取り出すと、一枚を私から奪い取る。


「二葉はこれくらいだな」


意地悪な顔をして、ひとりでは到底食べられない量のご飯とカレーを盛った。


「えっ、ちょっと！　そんなに食べられるわけないじゃない！」


急いで奪い返し、その半分を鍋へと戻す。
いくらなんでもレディにその量はないと思う。


「俺のカレーが食えないってのか？」

「そんなんじゃないってば」


どうしてそうなるのか。
妙な言いがかりだ。


「じゃあ、何だっていうんだ」