仕事をバリバリこなすようだから、アクションものとかのイメージの方が強い。
ひとりで観て、泣いたりするのかな。


「何がおかしい」


思わずクスっと笑みが漏れたところで、すかさず部長に突っ込みを入れられた。


「AVは隠したはずだけど?」


私に向かって、鼻先で笑ってみせる。
AVだなんて。
私も思わず笑ってしまう。


「すみません。片付けを手伝おうかなと思って」


一旦、DVDを床に下ろした。


「それは助かる。実は、そういう類は苦手なんだ」


テーブルにカップを並べ、照れ臭そうに頭をかいた。
余計なお世話かもしれないと思ったのは、取り越し苦労だったらしい。

でも、なんだか意外だ。
片付けなんかも、テキパキこなしてしまうものだと思ったから。
ちょっとした親近感を勝手に抱いてしまった。