難しそうな顔をして、ベッドに座る私の隣に腰を下ろした。
「出て行くつもりなのか」
「うん……」
「行くあてはあるのか?」
「……ない」
けど、ここにいることは出来ない。
「大丈夫、どうにかなるから」
笑って見せた。
明るく振る舞う私を悲しそうに見つめるあっくん。
何か言葉を探しているように、その瞳は揺らいでいた。
「二葉、考えたんだけど……」
長い沈黙の後、あっくんはゆっくりと話し始めた。
「一緒に暮らそう」
「えっ!?」
絶句してしまうひと言は、呼吸も忘れるほどだった。
「子供には父親が必要だ」