「あっくん、お願い。お父さんとお母さんには内緒にしてほしいの」

「気は確かなのか?」


あっくんが私の肩を揺さぶる。


「……産みたいの」


どうしても。
何があっても。


「……ずっと隠し通すことなんて無理だ」

「分かってる。けど、もう少しだけ……」


あと少しで、中絶ができない週数になるから。
そうすれば、いくら反対されたって、もう誰にもどうにもできないから。
この子を守ることだけが、今の私の全てなの。

困惑の表情を浮かべるあっくんに、誰にも言わないでほしいと懇願するのだった。