「どれだけ二葉と一緒にいたと思ってる?」

「……え?」

「ずっと二葉のことを見守ってきたんだ。嘘くらい見抜けなくてどうする」


鋭い視線から一転して優しく見つめ返されて、胸の奥がズキンと痛んだ。


「俺には本当のことを話してくれ」


諭すように言われて、もう何も反論できなくなってしまった。
私の負けだった。
俯く私の隣に、あっくんは腰を下ろした。


「……やっぱりそうなのか」


コクンと頷く。


「アイツは……アイツは知ってるのか?」


首を横に振った。
言えるわけがない。


「どうして言わないんだ」


下にいるお父さんとお母さんに聞こえないように声を押さえてはいるけれど、詰問口調だった。
その目にも、強い光が宿る。


「どうしてって、そんなの……別れたからに決まってるでしょう?」